ホーム>AFINA BLOG|豊島区の鍼灸整体>脊髄反射的療法、現代語訳>Afina現代語訳1、『脊髄反射的療法 序』
脊髄反射的療法、現代語訳

Afina現代語訳1、『脊髄反射的療法 序』

     この本を、

恩師であるアルバート・エブラハムス先生、

     そして、

畏友であるドクター、千秋雄雌良くん、

     座右に捧げて敬意を表す。

 

                著者

 

 

 

   序

 神経系統の疾患に対して脊椎に理学的療法を加えるのは東西ともにその例は多い。しかし一般の治療法として学理的に脊髄反射を利用し、広くほかの疾患に応用するに至ったのはアメリカのアルバート・エブラハムス氏が第一人者である。氏は長いこと脊髄反射について研鑽を重ねX光線および正弦波電流などの応用により、動物試験でのように、人体においても脊椎から内臓の反射作用をおこせることを発見し、したがって臨床上各脊椎ごとにこれに対応する反射中枢は明確になって、従来の学説とは異なった点が多いだけのみならず、新しく発見された反射中枢も少なくなく、これを治療において試してみるとその効果の迅速顕著なことといったら奇跡のようである。臨床上、脊髄がこんなに反射作用をおこし、しかもそれでこんなに疾病が治ってゆくとは誰も夢にも思わなかった。

 同氏のこれに関する著書は1910年、スポンデロテラピーと名付けて公表された。それから7年、5度の版を重ねてたくさんの批評にさらされたけれども、いまや氏の名を冠する反射現象および治療の成績は英仏の文献上いたるところに散見される。

 氏の法に従って脊髄反射を応用して診療すると、内臓の張力を測計して左右することができるので、ほかの理学的療法とくらべて応用範囲がとても広く、一般開業の皆さんにおかれましては上達するにしたがって無限の利益が得られる。

 わが国伝来の民間療法にはこの脊髄反射作用に他ならないものがたくさんあるが、的確な中枢をわかっていないばっかりに不慮の事故が起こってしまうのも不思議なことではない。しかし数百年来依然として民間にその声価があるのもまた理由のないことではない。今この本が出版されることになり、なおざりにされている伝来の治療術が向上して一般医師が研究する運びになれば、その侮れない効果を発見することだろう。この療法は一見簡単で何ということもないようではあるが成功させるためにはたくさんの経験を積んで熟達しなければならず、即反射中枢に的中するかしないかでは反射現象の現れ方に関係するので、漠然と治療していては成功するものではない。

 私はこの療法を試みはじめてすでに3年経ち、いまだ熟達の域には達しないが日常これを応用することにより診療上少なからず助けられている。従来の方法では診断不可能な例、または患者の苦痛を指をくわえて傍観していなければならなかったようなものが脊椎に少しアプローチしただけでたちどころに病苦が一掃されてしまうなど、いわゆる快刀乱麻を断つ感があるといった例が数えきれないほどであるが、顕著な例を各章にあげておいた。

 本邦にはアメリカの医学書を読むものは少なく、したがってエブラハムス氏が広く知られない。これを遺憾とし同氏の許可を得てこの療法に私が実験を付けて我が国に紹介することになった。読者がこれによって益するところがあれば幸いである。

  大正6年9月

           お茶の水水橋畔に於いて

                  兒玉林平識

 

近代デジタルライブラリー「脊髄反射的療法」>>

 

 

☆現代語訳『脊髄反射的療法』(スポンデロテラピー)について。>>

☆手技を学びたい!>>

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.nihaku.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/54